院長ブログ

歯のほとんどを抜歯したワンちゃんのケースリポート


ブログ、さぼっていました🙇

半分本当、半分冗談というところです。

どうにも久々のケースリポートとなりますが、定番(といって申し訳ないですが)の歯科症例となります。

犬猫ともに高齢での歯科疾患の場合、主に犬では口臭とくしゃみ、眼の下の腫れを伴っての受診が多いです。猫ちゃん高齢の場合は口臭、採食時の口の違和感・気にする様子などを主訴しての受診が多いです。同じ高齢の歯周疾患でも受診される場合の飼い主様の稟告には多少傾向が異なる印象があります。

猫の場合は若い年齢(2~3歳くらい)でも口臭や歯肉炎が重度で抜歯処置をしなければならないケースに度々遭遇する反面、犬の場合は若齢での抜歯処置は固いものを咬んでや衝突ダメージなどによる歯の破折がほとんどです。

動物種、年齢によって同じ歯周病・歯科疾患でも見た目の症状などが異なりますので、日常的によく観察してみてください。

今回のケースは、高齢のワンちゃんになります。口臭、口を気にするというのがメイン症状であり、口腔内の状況から相当数の抜歯処置が必要と判断され、処置を行いました。診察時点で歯の掃除ではなく抜歯を最初から提案しなければならないケースは、既にその歯の温存が望めない・温存することで今後マイナス要素になりうると考えられるからです。

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犬歯部の歯周病は重度であり、歯茎の退縮は勿論ですが周辺の粘膜にも炎症の影響で潰瘍が生じてしまっています。

臼歯は歯石で完全に覆われており、鎧を着こんだかの如くです。

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下の歯だって負けてはいません。いえ、張り合う必要は全くないのですが。

歯の根元が垣間見えるほどに歯肉が退縮しており、こちらも歯石で覆われています。

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反対側の歯だって(以下略)。(※処置途中なので出血痕がありますから色調を落としています)

この子に関しては歯が傷んでしまいやすい背景事情もありましたが、この状態では歯の温存は不可能です。

よって、残存していたほぼ全ての歯を抜歯することになりました。

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残存困難な歯は抜歯した後、傷んでいた粘膜部を一部切除してから抜歯した穴を縫合して塞いでいます。

残した歯もいずれは脱落してしまう可能性もありましたが、今回においては根元部分がしっかりしていたので抜歯は保留としました。

これだけの歯を抜いてしまったらこの後のご飯は食べられるのか...?

そう疑問に思われる方がほとんどだと思いますが、答えとしましては「大丈夫」です。適切な食事形態(ドライフードの粒形状、大きさ、ウェットフードであればしっかりとほぐれる・小さく切ってあるなど)の食事が与えられるのであれば問題ありません。実際にこのぐらい抜歯せざるをえなかった犬猫の子達は、処置後の方がもりもりご飯を食べてくれています。

抜歯する歯が少ないに越したことはありません。歯で診察された方には正直に、ぶっちゃけてお話をさせて頂いていることが多いですが......歯を抜くのは面倒です💦私が歯を抜くのが大好きなマッドな獣医では決してありません🙅ですが、残すことが難しかったり、残すことがデメリットにしかならないなどの場合は抜かざるを得ません。こういった事態になる前に、日常的な可能なデンタルケアの継続と、口の中がおや?っと思ったら、まずは受診にてご相談下さい。



🐍→🐎<🎍2025年、大変お世話になりました🎍>🐍→🐎


2025年12月30日にて、年内の最終診察日とさせて頂きました。

12月31日~1月3日までは休診日とさせていただき、1月4日(日)より診察開始とさせて頂きます。

本年も、皆様には大変お世話になりました🙇

2025年は皆さまにとってどのような年になりましたでしょうか。私個人で振り返ってみれば、大小の様々な波はありましたけれども全体を見れば落ち着いていたのかなと感じています。激動の一年を送るには体力的な余裕がなくなってきた気もします💦

2026年が皆様にとって良き一年となる事をお祈り申し上げます。

どうぞ健やかに良いお年をお迎えください。

来年もどうぞ宜しくお願い致します。🐶🐱

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ちょっと小話:おすすめの役立つ書籍「有毒植物図鑑」


お知らせ以外のブログ更新が久々となってしまいました💦

ケースリポートもありましたが、当院お馴染み(?)となってしまっている歯科ケースが大半であり、ちょっと更新をサボってしまっていた感もあります。反省🙇翻っては、馴染みのケースが多いという事は突飛なケースや重症ケースが目立ちにくい年であったという良い捉え方もできなくはない...?プラスに考えて行きましょう!

久々更新のブログですが、今回はケースリポートではなく、書籍のご紹介です。このパターンは初めてですので、「紹介元から先生は何かしらのキックバックを貰ってるのでは...」なんて邪推はしないで下さいね、何にもありません。(笑)貰えたら嬉しいですが...おっと、これは裏の話で...🤐

ご紹介する書籍はこちらになります。IMG20251211171046.jpg

緑書房から発刊されている「犬と猫に危険な有毒植物図鑑」です。

身近な植物や野菜、果物などでも犬猫にとっては有害になりうる可能性があるものが多数記載されています。

植物は多種多様、沢山ですので、全ての有毒植物を網羅できているわけではありませんが、例えばご自宅に飾ってある観葉植物やお庭にある植木、散歩ルートにある植物などを観察して有害になり得ないかという事は知っておいて損はしません。

観葉植物においては意外と有毒になり得るものが多いので、基本的には犬猫の届く範囲には置かないようには注意喚起をさせていただいておりますが、例えばこの季節であればシクラメンやクリスマスローズなども部位によっては毒性を持ちますのでご注意下さい。全ページカラー写真と共に掲載で文字だけではなく視覚的に見やすいかと思います。専門系書籍としては手に取りやすい価格でうす。......専門系としては😹

記載されている毒性及び症状が必ずしも生じてしまうという事ではないですが、知識は武器となり、ワンニャンの健康安全に役立つかと思いますので、ご興味持たれた方は発行元さんにサンプルページがあるので覗いてみてください。(※著作都合上当HPで内容を載せる事はできません。)



☀暑さに注意!!熱中症に気を付けましょう!☀


今年の梅雨も、梅雨の気配が乏しいままに過ぎ去ろうとしています。雨が少ないから渇水が心配...と思えば、随所でゲリラ雷雨でこれでもかと土砂降りをお見舞いしてくる予測困難な天候状況です。(※水源地に適切な雨が欲しいですね😿)

ゲリラ雷雨の発生要因の一つになっているのが、日中の高温多湿状況です。早くも35℃超えの気温を記録する日が東京でも見られていますが、梅雨明けを迎えて以降は益々と猛暑・酷暑の日が多くなることが予想されます。人も動物も、熱中症には十分に、十分以上に気をつけて行かなければいけませんね。

先日、日本動物愛護協会からこのようなポスターを頂き、病院にも掲示させていただいております。

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コミカルではありますが刺激的なイラストですね。しかし、このくらいのインパクトはあっても良いと感じます。

例年に注意喚起をさせていただいておりますが、この時期において晴れの日のワンちゃんのお散歩は『非常に危険』です。

理由としましては、犬は人間のように発汗による体温調節ができません。犬の体温調節はハッハッハッと呼吸すること(パンティング)で、口腔内から水分を蒸散させることで気化熱の作用を利用して体温を下げます。しかし、発汗による蒸散に比べてはるかに効率の悪い方法となります。

加えて被毛をまとっていますので、熱がこもりやすいです。真夏に天然毛皮のコートを着ているのですから当然暑いです。北欧犬種(ポメラニアン、ハスキー、サモエドなどなど)は冬は頼もしい被毛ですが夏にはかなり堪える毛皮の暑さになります。

短頭種(パグ、フレンチブルなどなど)においては鼻の穴が狭く、喉も狭い為に更に熱を逃がす効率は悪くなります。

そしてポスターイラストのように、真夏日中のアスファルト温度は状況により60℃以上まで熱くなります。散歩する動物にとっては、まさにホットプレートの上を素足で歩くのと変わらない状況です。靴を履かせて散歩すれば大丈夫!!...ではありません。足の裏は保護されますが、道路からの照り返し(輻射熱)が人間以上に背の低い犬にとっては深刻です。

top(ウェザーニュースhttps://weathernews.jp/s/topics/202107/280235/より引用)

必ずしもこのような温度差になるわけではありませんが、高低差により体感温度が10℃以上異なる場合があることは覚えておいてください。

屋内にいても締め切った室内では気温が高くなりますので熱中症リスクはあります。窓を開け放して喚起していれば安心、というわけにもいかない日も非常に多くなりましたので、やはりエアコンにて冷房を入れておくことが望ましいでしょう。エアコンを好まない、電気代がかかってしまうなど色々と諸問題もあるかと思いますが、生命には代えられませんのでエアコンスイッチONを推奨いたします。26℃くらいの設定でもかなり違うと思います。

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上記のようなNG行為は決してなさらないようにしてくださいね。

人も動物も、熱中症は死に至る重篤な病態です。命を取り留めても後遺症が残る場合もあります。換気・空調管理、水分補給、塩分補給(人の場合。動物はむやみに塩分を与えないでください)、しっかりとした休息体調管理を心掛けて、今年の暑い夏も乗り越えていきましょう!



胃内異物による不完全閉塞のケースリポート


異物誤飲によるケースは決して少なくはありません。

多くの場合では自然通過(※必ずしも様子見していい例ではないので必ずお問合せ下さい)するか、誤飲後時間経過が間もない&催吐可能なものであると場合には催吐処置で回収を試みるものがほとんどです。催吐処置では回収できず又は催吐させることができない異物の場合には内視鏡での摘出となったケースも勿論あります(※内視鏡の場合には他院様へご紹介させての処置をお願いしております)。

しかし、上記のケースに該当しない或いは既に小腸へ移動してしまい閉塞している場合や、胃内にあっても内視鏡摘出が困難な場合には外科的な摘出をするしかありません。

今回のケースは猫ちゃんで、10日ほど前より吐いたり吐かなかったりを繰り返す症状が見られていました。

食欲はあったり少し減ったりと不定な動向で、活動性も同じように不安定でした。

飼い主様がしばらく様子見をしてしまった原因の一つは、便通がある程度毎日出ていた事でした。

飼い主様の見識として、閉塞すると物体の通過が邪魔されますので、胃あるいは小腸で閉塞すると上から来たものは閉塞地点で滞留し逆流(嘔吐)、閉塞より先の部分には新たな便が形成されないので便が出なくなる、というものがありました。この点に関しては間違ってはいませんが、しかしその例に該当しないケースも勿論あります。今回の子はその該当しないケースという事でした。

以前より少し異物を齧る癖も見られていた子でしたので、何か飲み込んだ可能性も疑っておられました。しかしその場合何を飲み込んだのかはわからなかったようですが、あるべきものが一つ無くなっているのに気付き、もしかすると...という事でその無くなった物と同じ新品を参考としてお持ちいただきました。

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X線にて一目瞭然、胃内に異物が確認できます。お持ち頂いたもの寸分違わぬ形と大きさでしたので、診断即決です。

何を飲み込んでしまったかというと、ゴム製のパッキンです。割と大きめなのでまさか飲み込んでないよね...という思いだったようですが、上手(?)に飲み込んでしまっています。

胃内に停滞していたのは、ある意味で不幸中の幸い、不完全閉塞となっていたのでうまく食べ物が通過できた場合には消化吸収・排便が出来ており、異物に邪魔されて通過できなかったものは嘔吐していたという事になります。

ゴム製なので内視鏡摘出も検討されましたが、日数が経過しておりゴムが胃酸により劣化&硬化している可能性と、大きさがそれなりにあった為、胃切開による摘出となりました。

IMG20250224114723copy.jpg術中の様子です。赤丸部分が胃であり、糸で釣り上げているその直下に異物が存在しておりデコボコした形状になっています。

IMG20250224115005.jpg摘出した異物です。写真ではわかりづらいですが、予想した通りゴムの一部は硬化していました。

幸いだったのは不完全閉塞だったという点は前述の通りで、胃及び腸などに対するダメージが非常に軽度であったという事です。術後の回復は順調で、退院後の食欲も問題なく過ごしてくれているようです。

猫ちゃんにおいては紐状異物に対しての注意喚起は度々させて頂いております。しかし、予想外にやってしまう場合には予防対策がしづらいのも当然です。もしかするとこの子は異物を飲んだのかも...?と頭をよぎるケースがあった場合には、必ずお家の中・身の回りを可能な限り探索して、あるべきものが無い、あったものが無くなっている・欠けているというものがあれば、受診の際にお持ち頂けると診断の一助になりますので宜しくお願い致します。



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