2019年7月

慢性下痢の厄介者は、やはり厄介極まれり


以前にもお話しさせていただきました「厄介なお腹の寄生虫、猫トリコモナス」ですが...本当に厄介です😢

トリコ~1.JPG「こんにちは、再び登場の厄介者です」

今現在この厄介者に悩まされているのは、10か月齢の猫ちゃんです。3か月半齢でショップさんから飼い主様の元へ来た子です。

この子はお家に迎えた当初から軟便~下痢が続いているとの事で、自宅に迎えてから2週間後に当院を受診されました。

子猫ちゃん...元気食欲はあり...頻回便...粘液便もある...臭いが強い...ショップさんから迎えた当初から...

お話を伺っている最中からチラッチラッと脳裏に浮かぶ厄介者の影が。糞便検査を主として診察を進めていくと...

やっぱり出ちゃいました、トリコモナス😢しかもこの時はジアルジアという別の寄生虫も認められました。

以前は子猫の寄生虫といえば回虫やコクシジウムという寄生虫に遭遇する機会がほとんどでしたが、最近はトリコモナスやジアルジアなどの便検査では検出しにくい寄生虫によるものが多いです。残念なことに、その大半がペットショップさんから購入された1か月以内に検出されてしまいます。感染力が強く、また検査による検出率も低い為に対応が後手に回ってしまう事も原因の一つと思われます。

この猫ちゃんは来院時に『疑いようがないくらい沢山いる』という顕微鏡結果でしたので、投薬治療が始まりました。

苦くて有名(?)なメトロニダゾールの服用により一度は症状が改善、院内検査ではトリコモナスが検出されなくなった為投薬を休止して、消毒などを継続的に注意して行っていただくよう飼い主様にお伝えしました。

それから約3週間後...再び軟便と頻回便との事で来院。調べると再び『疑いようがないくらい沢山いる』厄介者。

この日以降、本日に至るまでまだ厄介者との戦いは続いています。メトロニダゾールからチニダゾールに変更して投薬をしますが、投薬によって姿を消すのですが、症状は完治はせず、そしてまたしばらく後に姿を現します。

便の遺伝子検査も行いましたが、検査を実施した時にはトリコモナスは陰性で、クリプトスポリジウムという寄生虫が陽性となってしまっていたのでこちらの治療も行いましたが、やはり改善は乏しく。

食事療法、サプリメント、環境整備など色々と試していますが下痢は続き...最近の検査ではこのような状態でした。

トリコモナス.mp4

画質が悪いのはご容赦ください。顕微鏡で便を見ている様子ですが、ひらひらと動くあるいは集団でうごめいているのがトリコモナスです。

ご家庭内に同居の猫ちゃんがいるので、この子達との間で感染サイクルを作ってしまっている可能性は十分にあります。生活環境を当面の間は完全隔離、使用するアイテム(食器、トイレ、タオル)は共有せずに、ひたすら消毒して...そういった事が徹底できれば良いですが、実際にはそうもいかない点もあります。だからこそ長引いてしまっている点もあります。寄生虫感染以外の慢性下痢の原因(食物アレルギー等)も考えてはいますが、決め手に欠けています。

継続して寄生虫対策は行っていきますが、今後は別の検査アプローチも検討していきます。




夏場は皮膚のトラブル多発な季節です


今年は長梅雨の影響で、例年以上にジメジメ感が強いですね。

昨年は梅雨が極端に短く猛暑日が続きましたが、今年は冷夏といっていい気温ですね。今週末くらいに梅雨明けの兆しが見えてくるといいのですが...

夏は気温と湿度の影響で、皮膚病が多発する時期です。動物病院に来院される患者さんの半数以上が皮膚病関連を占めるようになってきます。皮膚病といっても勿論内容は様々です。アレルギー(食べ物・環境)症状、寄生虫の感染、細菌の感染、カビの感染、免疫異常、腫瘍性、精神的な要因など原因は多岐に及びます。

痒みの症状が飼い主様が最も気づきやすいものと思われます。そして最も痒がっている場所をよく見てみると、皮膚が赤くなっていたりかさぶたが出来ていたり、フケが多く出ていたり、場合によっては動くものが見えてしまったりと...💦

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この猫ちゃんは痒みは強くはないものの、写真のようなかさぶたが広がってきてしまったということで来院されました。

検査の結果、皮膚糸状菌というカビが検出されました。このカビは伝染性がある為、同居の猫ちゃんにも類似の症状が見られ、その子も同じ病気でした。

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このワンちゃんは、両腋周辺を主に痒がり、その他にも全身的に(足先やお尻周り、顔など)痒みが見られていました。しかし、背中にはあまり病変が見られません。各種検査の結果、アレルギー性皮膚炎と診断し、治療を行っています。

写真はないのですが、今年の夏はノミの大量寄生によるノミアレルギー性皮膚炎のワンちゃん・ネコちゃんが何件か見られました。毛をかき分けて地肌を見ようとすると、さぁーーーと動くノミが...不謹慎ながら、「となりのトトロ」の「まっくろくろすけ出ておいでー」のくだりを想起してしまいました。

飼い主様やご家族様にも痒みが見られているため、お家に入り込んでしまったノミを駆逐するのは相当大変な労力となります。「室内飼育でお外にはあまり出ないから、まさかノミがいるとは思わなかった」とほとんどの方が仰っていました。どのような隙をついて虫が侵入してくるかはわかりません、予防できるものなので、しっかりと皆さんにも予防を行っていただきたいと強く願うものです。

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このワンちゃんは、腰~お尻あたりに大きな皮膚病変ができてしまい、毛が抜けてしまいました。皮膚も非常に赤々しく、痒みや痛みも大分あったと思われます。しかし元々の性格が我慢強い子、診察時に病変部を調べるときもちょっと迷惑そうな表情はしていたかもしれませんが、大人しく検査に協力してくれました。

一般的な皮膚検査を行い1週間ほど内服による治療を行いましたが改善の兆候が全くみられなかった為、皮膚組織の一部を採取して検査する組織生検を行いました。その結果、皮脂腺炎という免疫異常に因る珍しい皮膚病という事がわかりました。皮脂腺炎の治療開始することで症状は改善がみられ、

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まだ抜けてしまった毛が生えそろうには時間がかかりますが、赤みやただれ、痒みも今は落ち着いており、治療を継続しています。頑張っていこうね!!

皮膚病はぱっと見でわかるものもあれば、そうでないものもあります。症状は類似しているけれども最初に疑った疾患とは全く違うというケース(皮脂腺炎のワンちゃんがそうでした)もあります。原因によって治療のアプローチ方法は勿論変わってきますので、なかなか治らない皮膚病変や長く続いているものなどは、積極的な検査を行って原因を調べていく事をおすすめします。



2019年の七夕飾り


今年は諸般の都合により、毎年七夕の時期に実施していた当院があります商店会のイベントは残念ながら行われません。

イベントの実施はありませんが、病院は外側に向けてのみになってしまいますが、例年のように七夕飾りをしています。

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今年の七夕当日は天の川が見れるかかなり怪しいお天気状況ですし、雨続きでジメっとした気持ちになってしまうかもしれませんが、気持ちを上げて長梅雨を乗り越えましょう!!

先日、避妊手術の依頼を頂いた6か月のワンちゃんですが、手術前の診察で鼡径ヘルニアが両側に見つかりました。

鼡径ヘルニアは放置しておくと最悪は腸や膀胱が入り込んでしまい、壊死を起こしてしまう事もあります。

鼡径輪という血管や神経を通す穴があるのですが、そこが広がってしまったりして本来は出てはいけないものが出てしまうのが鼡径ヘルニアです。多くはお腹の中の脂肪であり、膨らみを押したり姿勢を変えたりすると膨らみが引っ込み、そしてまた出てきてしまいます。

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写真だとわかりづらいですが、丸で囲んだ部分がふっくらとしています。

今回は避妊手術の際に同時にそちらの整復も行い、また乳歯も沢山残っていたので一緒に行いました。

鼡径ヘルニアや臍ヘルニア(いわゆる"でべそ")、そして乳歯遺残も若齢の早い内に対処しておくことで将来的なリスクや弊害の抑止・低減につながりますので、気になることがありましたらご相談下さい。



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