『おやつは躾などに用いたとしても、あくまで"サブ"、嗜好品ですよ~(^_^)』というスタンスの院長です。
以前に勤務医時代でもオヤツをほとんど勧めない獣医でしたので、笑い話がてらに患者様から「先生に相談すると、オヤツあげられなくなっちゃうなぁ(笑)」といわれてしまう事もありました。
...多分、笑い話の領域だったと思うのですが、そう思おうとする私の無意識の曲解があったのかも...?💦
かどうかはおいておくとしまして・・・誤解しないで頂きたいのは
全てのオヤツ=ダメッ!!!
という事ではありません。
冒頭にお話ししましたように、躾の際にご褒美で用いたり、普段の生活の中でもオヤツというエッセンスが時にある方が動物達の日々にとっても良いと思っております。
飼い主様からよく聞いたお話では
- 「いつもあげてるから、なんとなく今日もあげてる」
- 「ゴハンの食べがイマイチだけど、オヤツならよく食べるからあげている」
- 「オヤツをあげるとよく食べて可愛くて、ついついあげちゃう💛」
などなどがありました。
・・・・ハッ?!と思った飼い主様がいらしたら、お気を付けください(☆w☆)
量はしっかりと把握されてますか?体重などで動物病院で指摘を受けたことはありませんか?
病的な理由がある場合は別ですが、オヤツを与えないで下さいとは全くもって申し上げません。
『オヤツはしっかりとしたものを、ただ日常的に与えるのではなく、躾やコミュニケーションツールとして量を守って与えて下さいね』
しっかりとしたオヤツはどれが該当するのかなかなか難しいものがあります。価格の高いオヤツが必ずしも良いとは言えません。しかし、あまりに安価過ぎるオヤツには不安な点を感じるのは正直なところですので、なるべく避けて頂いた方が良いかと個人的には思います。
量に関してですが、オヤツのパッケージの裏に目安が多くのものには記載してあると思います。しっかりと1日当たりの量を守ってあげてらっしゃる人がほとんどですが、それはあくまで目安です。目安量であれば太らない、という事は全くありません。個体差がありますので、多くても大丈夫な子もいれば、目安の半分以下でも体重が増えてしまう子もいます。
ゴハンの代わりとしてオヤツを与えても、栄養バランスを補う事はできません。食事には総合栄養食と、副食という分類が一般フードにはあります。オヤツは副食ですので、総合栄養食の補助として与えるものであり、量をあげたからといってその代わりにはなり得ません。
ただただ日常的にオヤツを上げてると、オヤツを貰えることが当然となってしまうので、楽しさ嬉しさの感情が乏しくなってしまうかもしれません。思い出してみてください、飼い主様ご自身が子供の頃、イベントの時に食べられるケーキがどれだけ待ち遠しかった事かを(*´ω`*)・・・と、考えて頂ければわかりやすいのではないでしょうか。
それらを踏まえた上で、病院がオススメするオヤツをご紹介します。
左:ペティッツ ソフト マルチトリーツ
右:ペティッツ ソフトトリーツ ミネラルコントロール
マルチトリーツはカロリーが低めに抑えられているのと、食物アレルギーの子にも配慮した組成になっているので皮膚が心配な子にも与えられるオヤツです。
ソフトトリーツミネラルコントロールは、尿石症や腎臓・心臓疾患を抱えている子にも与えられるように、塩分などのミネラル成分を処方食以下に抑えたオヤツです。
左:メタボリックス ビスケット
右:低アレルゲントリーツ
どちらもビスケットタイプのオヤツです。先のソフトタイプと好みに分けて選んでみてください。
メタボリックスは体重が気になるワンちゃん用に、低アレルゲントリーツは食物アレルギーなどの皮膚疾患の子に適しています。
ここから下はオヤツではありませんが、お薬をうまく飲ませられない・与えられないという方も多いかと思います。そんな時にオヤツのようにしてお薬を与える事ができるアイテムです。子供さんにお薬を飲ませる時に使う味の付いたゼリーとか、そういうものの動物版です(^◇^)懐かしい所でいえば、オブラートですね(笑)
左:猫用ピルポケット
中央:投薬補助トリーツ 低アレルゲン
右:投薬補助トリーツ ミネラルコントロール
投薬補助トリーツはソフトタイプオヤツでご紹介したものに類似しています。食物アレルギーに配慮した低アレルゲンと、尿石系などに配慮したミネラルコントロールになります。
猫用ピルポケットは、数少ない猫ちゃん用のアイテムで、オヤツとしても使う事ができます。チキン味のみになりますので、お魚風味好きな子はごめんなさい><
左:DL-メチオニン・タブ
右:フレーバードゥ
DLメチオニンタブは泌尿器系のトラブルがある猫ちゃんに対して有効な成分を含むサプリメントですが、柔らかいオヤツのような形状ですので投薬補助にも使えます。
フレーバードゥは犬猫兼用で、中にはペースト状のオヤツが入っています。お薬を包む際に飼い主様ご自身で量を決められますし、形状問わずお薬を包むことができます。
病院でオススメするのはやはり病気に関連する傾向のものが主体となってしまいますが、こういったオヤツでなければならないという事はありません。その子その子に好みも相性もありますので、「これがこの子にはいいんだ♪」というものに出会えて、与えられると良いと思います。
ただし、量や与え方には勿論気を付けて下さいね?でないと院長から"オヤツ禁止令"が出てしまうかもしれませんよ(笑)