院長ブログ

また来てね、茶々丸ちゃん!長期間ホテルお疲れさまでした♪


飼い主様のご事情により、7月から約3か月間、当院にホテルとして滞在していた柴犬の茶々丸ちゃん。

先日、飼い主様がお迎えにいらっしゃいました。飼い主様も早く茶々丸ちゃんと一緒に過ごしたくて、お互いに嬉しそうな様子でした。

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自宅に帰る直前の茶々丸ちゃんです。

当院も茶々丸ちゃんがいるのが当たり前のようになってしまっていましたが、いざ帰宅の時を迎えると少し寂しく感じますね(笑)

茶々丸ちゃんも病院の自分がいるお部屋は既にもう「自分用」と理解しているのか、外の散歩から帰ってくると寄り道せずに一直線に部屋に入って休憩。その迷いのない足運びにちょっと笑ってしまいます。

どうしても一日のほとんどをお部屋の中で過ごさざるを得ないので時間を持て余していたとは思いますが、いたずらしたり吠えたりなどは全くせず、非常にお利口さんに過ごしてくれました。

ホテル中には飼い主様のご理解を頂き、輸血ドナーとしても活躍してくれました。大変感謝しております。

皮膚トラブルを抱えてしまっているので、今後も度々顔を出してくれると思います。

またホテルで来てくれる日を楽しみに待っています♪

久しぶりの我が家(飼い主様のお家ですが)、堪能しているのかな(^^

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皮膚にできたイボから出血が・・・ という例   ~形質細胞腫~


今日は、数か月前より顎下にできものがある、という子のお話です。

飼い主様が最初に気づかれたのは半年程前になり、その時は小豆サイズくらいのできものが顎下に1か所できたなというものでした。

特にワンちゃんが気にする事もなければ、ご自宅で見ている限り大きくなる事もなかったので様子をみていました。

少しそのできものが大きくなってきて、表面を擦ってしまって出血しているのことで受診されました。

大きさは1cm大くらいの皮膚腫瘍と思わしきものがあり、掻き壊してしまったかタオルなどに擦り付けてしまったかのようで表層から多少出血しておりましたが、大事に至るものではありませんでした。

外観と経過からできものは皮膚腫瘍と疑い、大きさが小さい内に切除兼病理検査を行う事になりました。

元々飼い主様のご希望として歯石処置がありましたので、その際に同時に行うことになりました。

半年ほど前から存在し、ここ最近大きくなってきたので、では切除しましょうとなった手術当日。

再度できものの大きさを測ってみると、半分ほどに...。1週間前の手術前検査時からいきなり小さくなっていました💦

とはいえ歯石取りも今回は同時に行う予定でしたので、麻酔を実施したのちに歯石スケーリングと皮膚腫瘍切除を行いました。

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下顎にある腫瘍の切除前です。大きさは特に問題にはならないサイズですが、御覧のように中心部が糜爛といって外傷起因もありますがただれてしまっています。少し擦れてしまうとじわぁぁぁぁという出血が出ては止まってを繰り返すような感じでした。

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切除した病変です。周囲組織も少し含めて切除してあります。

病理検査では良性の皮膚腫瘍である「形質細胞腫」でした。

形質細胞腫は犬に多く、猫では少ない皮膚腫瘍です。一般的には中高齢で発症し、若齢ではあまり見られません。

口周囲、肢端、体幹部、耳介などに発生する割合が多いです。この腫瘍の細胞形態によってはリンパ腫などの悪性腫瘍と混同してしまう事もありますので、検査によって怪しい場合は小さい内に切除する事をお勧めします。

これと外観が似たもので「皮膚組織球腫」という腫瘍があります。若齢または6~7歳以降に見られることの多い良性の皮膚腫瘍で、若齢でも見られる事が形質細胞腫との違いの一つになります。

この腫瘍、"無治療で自然と退縮"していく可能性がある腫瘍なのです。最初は少しずつ大きくなりますが、ある程度まで大きくなるとそのままになり、2~3か月かけて次第に小さくなって最後は消失するというものです。勿論全部が素直に消えてなくなってくれるわけではなく、小さくならずに居座り続ける奴もいますが、皮膚組織球腫であった場合には先ずは経過を見てから外科的介入の判断をします。

外観上で区別がはっきりとはつきませんので、通常は細胞診という検査を行って判断いたします。

今回のワンちゃんは麻酔を別途実施する予定がありましたので、細胞診という検査を行わず、切除した組織そのものを調べるという方法で行いました。

形質細胞腫は切除によって予後が良好なものです。今回のワンちゃんも切除にて根治が見込まれると思います。

歯の写真はありませんが、お口の中もスッキリとして、当日夜に退院となりました。

お口の中は概ね少量の歯石と軽度の歯肉炎がみられる程度で、口腔内の状態としては大きな問題はありませんでしたが、たった一か所だけ、特定の歯茎のみ他とは異なりダメージを受けている部分がありました。

このように全体として見える部分は問題がなくても、詳しく見てみると普段は見えない場所にトラブルが起こっている事もあり得ます。

定期的なデンタルケア&チェック、是非心掛けていただければと思います。



~肛門周囲腺腫の一例~  未去勢のワンちゃん


今回は「肛門周囲腺腫」という病気のお話です。

この病気は"未去勢の中高齢の犬"に特に多く見られる病気です。

肛門の周りには、皮脂(脂分)を分泌する肛門周囲腺という分泌腺が存在します。

この分泌腺が腫瘍化し、増大してしまったものが肛門周囲腺腫です。

良性の腫瘍ですが、巨大化すると排便に支障をきたしたり、自壊(腫瘍が傷つくこと)して出血が持続的に続いたり、その部分に感染を引き起こしてしまうと事態は深刻化してしまいます。

この病気の発生と進行には男性ホルモンが大きく関与しています。男性ホルモンの影響を受けている期間が長いほど、発生のリスクは高まってきます。ですので、若い年齢の子での発生はほとんどありません。多くが7歳以降に見られます。稀にメスにも発生する事があります。

同じ部分に同じように発生する腫瘍では、肛門嚢アポクリン腺癌というものがあります。こちらは悪性腫瘍で、周囲の組織に浸潤・転移する恐れがあります。この肛門嚢アポクリン腺癌は男性ホルモンとの関連性は無く、オスだけでなくメスにも発生がみられるものです。

以下は実際の肛門周囲腺腫の例となります。

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当院に来院されたワンちゃんの一例です。主訴はお座りした時に床に血液が付着するというものでした。

尻尾を持ち上げてみてみると、肛門の直下にできものがあり、その表面が脆い為に擦れて容易に出血してしまうという状況でした。

またそのできものの斜め下にも小さなしこりがあります。こちらは出血はしておりませんが、触ってみると皮膚の下にしこりが存在していました。

検査状況から肛門周囲腺腫と診断しました。

このワンちゃんは未去勢でしたので、病気の背景としては一致します。ただし年齢は7歳未満でしたので、やや早めでの発症という事になります。

治療方法としましては、腫瘍の切除と同時に去勢手術を実施しました。

腫瘍が大きくなってしまうと、その分切除しなければならない部分も大きくなります。肛門周りは非常にデリケートな部分の為、大きく切除する際に筋肉も切除しなければならなくなってしまうと、術後の排便に影響が出てしまう可能性があります。ですので、腫瘍がなるべく小さいうちに切除する事が大事です。

また、去勢をせずに睾丸を残してしまうと、切除した以外の分泌腺が将来腫瘍化してしまうリスクが高いままになってしまいますので、治療兼リスク回避の為に必ず去勢も実施します。

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手術前の状態です。消毒の際の物理接触程度でも出血しているのがお分かりいただけるかと思います。

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切除した腫瘍です。腫瘍の周囲も含めて切除しますので、実際のできものよりも大きく切り取る事になります。術後は汚れやすい部分ですので清潔に管理して頂く事と、噛んだり舐めたりしないように傷口保護(エリザベスカラーの装着)をしっかりとする必要があります。このワンちゃんは術後、縫合した部分に問題が生じましたが、飼い主様のご協力を得て治療を実施し、治癒しました。

切除した腫瘍はやはり肛門周囲腺腫でした。

今回はあまり腫瘍が大きくならない内に来院していただき、治療を実施した例となります。

去勢をすれば100%発生しない、という確約は得られませんが、私の経験上では未去勢のワンちゃんでしかこの病気に遭遇したことはありません。

去勢手術を実施する事で予防、リスクを軽減できる病気は多々あります。今回の肛門周囲腺腫もその一つです。病気は未然に防ぐことが最も有効ですが、仮に病気が発症してしまった場合には早期に受診し、治療をご相談したいと思います。



去勢手術頑張りました!  官兵衛ちゃん編


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『拙者、官兵衛と申す。本日は去勢手術に臨まんと参った次第でござる』

歴史が好きという飼い主様が命名されたお名前、オス猫の官兵衛ちゃん。由来は戦国時代の有名な軍師、黒田官兵衛からとのこと。

なるほどなるほど、精悍な顔つきをされていらっしゃるではありませんか。

ではでは本日は宜しくお願いしますとお預かりさせて頂きました。

いざ手術の少し前、鎮静剤を事前に投与して眠くなったところで、いざ本番の麻酔をかけるという段取りなのですが・・・

勘兵衛さん、鎮静剤で全く眠くならない(;´Д`)

多少の足腰の力が入りにくい~という姿はあるものの、普通に立てるし歩けるし、目は爛々ですし。

時にはそういう子もいるので、少し鎮静剤を追加投与して、さてどうか。

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『拙者にはそのような小細工、通用せんですぞ』

いえいえ、通用して下さい(^_^;

官兵衛、おぬし、どのような技を用いたのか!!?

この後、別の方法にて官兵衛ちゃんという城はやっと降参してくれたようで、寝てくれました。しかしそこに至るまでも、その事前に鎮静剤を投与しているという事を疑うほどの動きを見せてくれました。おぬし、何者じゃ!?

眠ったところですかさず麻酔をかけて、去勢手術を実施です。

これだけ眠るのに時間を要したから、きっと醒めるのは早いかなと思っていましたが、想像していたよりもお寝坊さんでした(笑)

麻酔から醒めた後はお食事を所望されたので、しばらく休息の後にお食事をきれいに完食して、お家に帰って行きました。

官兵衛ちゃん、果たしてどのような戦略を用いて鎮静剤の効果を避けたのでしょうか。謎です・・・!



"オヤツ"は適切にあげましょう♪    ~オヤツ製品のご紹介~


『おやつは躾などに用いたとしても、あくまで"サブ"、嗜好品ですよ~(^_^)』というスタンスの院長です。

以前に勤務医時代でもオヤツをほとんど勧めない獣医でしたので、笑い話がてらに患者様から「先生に相談すると、オヤツあげられなくなっちゃうなぁ(笑)」といわれてしまう事もありました。

...多分、笑い話の領域だったと思うのですが、そう思おうとする私の無意識の曲解があったのかも...?💦

かどうかはおいておくとしまして・・・誤解しないで頂きたいのは

全てのオヤツ=ダメッ!!!

という事ではありません。

冒頭にお話ししましたように、躾の際にご褒美で用いたり、普段の生活の中でもオヤツというエッセンスが時にある方が動物達の日々にとっても良いと思っております。

飼い主様からよく聞いたお話では

  • 「いつもあげてるから、なんとなく今日もあげてる」
  • 「ゴハンの食べがイマイチだけど、オヤツならよく食べるからあげている」
  • 「オヤツをあげるとよく食べて可愛くて、ついついあげちゃう💛」

などなどがありました。

・・・・ハッ?!と思った飼い主様がいらしたら、お気を付けください(☆w☆)

量はしっかりと把握されてますか?体重などで動物病院で指摘を受けたことはありませんか?

病的な理由がある場合は別ですが、オヤツを与えないで下さいとは全くもって申し上げません。

『オヤツはしっかりとしたものを、ただ日常的に与えるのではなく、躾やコミュニケーションツールとして量を守って与えて下さいね』

しっかりとしたオヤツはどれが該当するのかなかなか難しいものがあります。価格の高いオヤツが必ずしも良いとは言えません。しかし、あまりに安価過ぎるオヤツには不安な点を感じるのは正直なところですので、なるべく避けて頂いた方が良いかと個人的には思います。

量に関してですが、オヤツのパッケージの裏に目安が多くのものには記載してあると思います。しっかりと1日当たりの量を守ってあげてらっしゃる人がほとんどですが、それはあくまで目安です。目安量であれば太らない、という事は全くありません。個体差がありますので、多くても大丈夫な子もいれば、目安の半分以下でも体重が増えてしまう子もいます。

ゴハンの代わりとしてオヤツを与えても、栄養バランスを補う事はできません。食事には総合栄養食と、副食という分類が一般フードにはあります。オヤツは副食ですので、総合栄養食の補助として与えるものであり、量をあげたからといってその代わりにはなり得ません。

ただただ日常的にオヤツを上げてると、オヤツを貰えることが当然となってしまうので、楽しさ嬉しさの感情が乏しくなってしまうかもしれません。思い出してみてください、飼い主様ご自身が子供の頃、イベントの時に食べられるケーキがどれだけ待ち遠しかった事かを(*´ω`*)・・・と、考えて頂ければわかりやすいのではないでしょうか。

それらを踏まえた上で、病院がオススメするオヤツをご紹介します。

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左:ペティッツ ソフト マルチトリーツ 

右:ペティッツ ソフトトリーツ ミネラルコントロール

マルチトリーツはカロリーが低めに抑えられているのと、食物アレルギーの子にも配慮した組成になっているので皮膚が心配な子にも与えられるオヤツです。

ソフトトリーツミネラルコントロールは、尿石症や腎臓・心臓疾患を抱えている子にも与えられるように、塩分などのミネラル成分を処方食以下に抑えたオヤツです。

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左:メタボリックス ビスケット

右:低アレルゲントリーツ

どちらもビスケットタイプのオヤツです。先のソフトタイプと好みに分けて選んでみてください。

メタボリックスは体重が気になるワンちゃん用に、低アレルゲントリーツは食物アレルギーなどの皮膚疾患の子に適しています。

ここから下はオヤツではありませんが、お薬をうまく飲ませられない・与えられないという方も多いかと思います。そんな時にオヤツのようにしてお薬を与える事ができるアイテムです。子供さんにお薬を飲ませる時に使う味の付いたゼリーとか、そういうものの動物版です(^◇^)懐かしい所でいえば、オブラートですね(笑)

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左:猫用ピルポケット 

中央:投薬補助トリーツ 低アレルゲン 

右:投薬補助トリーツ ミネラルコントロール

投薬補助トリーツはソフトタイプオヤツでご紹介したものに類似しています。食物アレルギーに配慮した低アレルゲンと、尿石系などに配慮したミネラルコントロールになります。

猫用ピルポケットは、数少ない猫ちゃん用のアイテムで、オヤツとしても使う事ができます。チキン味のみになりますので、お魚風味好きな子はごめんなさい><

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左:DL-メチオニン・タブ        

右:フレーバードゥ

DLメチオニンタブは泌尿器系のトラブルがある猫ちゃんに対して有効な成分を含むサプリメントですが、柔らかいオヤツのような形状ですので投薬補助にも使えます。

フレーバードゥは犬猫兼用で、中にはペースト状のオヤツが入っています。お薬を包む際に飼い主様ご自身で量を決められますし、形状問わずお薬を包むことができます。

病院でオススメするのはやはり病気に関連する傾向のものが主体となってしまいますが、こういったオヤツでなければならないという事はありません。その子その子に好みも相性もありますので、「これがこの子にはいいんだ♪」というものに出会えて、与えられると良いと思います。

ただし、量や与え方には勿論気を付けて下さいね?でないと院長から"オヤツ禁止令"が出てしまうかもしれませんよ(笑)



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鶴川街道、「市立博物館入口」信号近く

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Pあり

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