ほっと一安心...😹緊急帝王切開の猫ちゃんのケース
先日、妊娠している猫ちゃんの緊急帝王切開を行いました。
妊娠の発覚から経過を診させていただいていた子ですが、出産予定日はちょうどお盆の真っただ中。4頭の赤ちゃんがいる事が判明しました。飼い主様には今年のお盆の外出は諦めてくださいとお話をしました。
飼い主様には妊娠時の留意事項や観察ポイント、出産環境の整備などなどをお話し、また、飼い主様ご自身も事前に知識を入れておいていただくようにYoutubeやネット、本などで出産に関するお勉強をしていただきました。
お盆期間中の大体この辺りだろうなぁ...という予想通りに出産日を迎えました。
しかし...大問題発生💦
飼い主様のご家族様からご連絡をいただいたのですが、「第1仔が生まれてから2頭目が生まれてこない。6時間経過している。」
.........!!!???
6時間?!通常は多産の場合には次の子は2時間以内に産まれてくるもので、そうでない場合は難産となり治療対応の必要が出てきます。どうやらご家庭内での連絡トラブルがあったようで、病院への連絡が遅れに遅れてしまったようです。
しかし6時間経過しているとなると、残った3頭はかなり厳しいかもな...と電話対応時は思いました。しかし可能性に賭け、とりあえず即時に来院を指示しました。
到着次第、すぐに超音波検査。母体は問題はなさそうで何よりですが、お腹の中の子がどうかはわかりません。超音波では残った3頭の内2頭の心拍は視認できましたが、弱くなっていました。残りの1頭は心臓の位置をぱっと見の検査では確認できず、生死不明でした。
ともかく、今生きている子を何とかしないと!という事で、待機させていたスタッフと共に緊急帝王切開を行いました。
結果...
先に産まれていた1頭目を含めて、全頭共に無事に産まれました!良かった!
帝王切開で取り上げた3頭の内の1頭はなかなか呼吸が戻らずに正直諦めるところでしたが、看護士の粘りで最終的には自発呼吸をするようになりました。
母猫も麻酔から醒めて暫く後には、子猫たちにおっぱいをしっかり飲ませており、この点もほっとしました。
猫の出産は、犬と比較すると難産のケースは少ないですが、それでも今回のように難産となる時はあります。
大事なのは、事前に病院と相談して置く事と、飼い主様も知識を持っていただく事、そして産前産後含めて様子をしっかりと見ておくことです。この子たちがこのまま元気に成長してくれる事を願うばかりです😊
(※当院では、かかりつけ患者様及び経過を診させてもらっている子以外の帝王切開は受け付けておりません。また人員都合上、夜間早朝のご対応も困難です。出産を今後ご検討の場合は、必ずかかりつけ病院様とよくよく相談しておくようにしてください。)