史上最強と言われた台風は、東日本方面には直接的な被害は少なかったですが、九州地方には深刻な被害がありました。
今後も台風の季節は続き、去年同様に大型で勢力が強く発達する状況ですので、引き続き備えをしていかないといけませんね。
ここ最近は当院では歯科処置が続いております。単純な歯石除去・清掃のケースは少なく、歯石除去のみならず抜歯を必要とする重度の歯周病が大半を占めます。歯科処置には麻酔をかける必要がありますので、その点で飼い主様が「予防的歯科処置」の実施に不安を抱いてしまう点もありますし、理解できます。ただ、麻酔への不安・心配は皆様お持ちになられますが、歯周病の不安については軽視されてしまっている傾向も否めません。
某歯みがき粉のTVCMでもご覧になった事があると思いますが、「歯周病は全身疾患です」というフレーズは正にその通りです。歯周病菌が血行にのって遠くの臓器(例:腎臓や心臓などなど)に悪影響を及ぼすケースは数多くあります。
勿論、歯と口のトラブルそのもので食事がうまく食べれなかったり、痛みを伴ってしまったり出血したりと、動物にとって非常に不快な事も多くあります。
『歯周病がひどくなったから処置をしよう』という前に、『歯周病がひどくなる前に歯をキレイにしておこう』という意識を、少なからずお持ち頂ければ幸いです。
ケース➀ 推定8歳前後の元保護犬のワンちゃん。かなり重度の歯周病の為、残存していた全ての歯を抜歯する必要がありました。処置後は食事も問題なく食べて過ごしてくれています。
ケース➁13歳の猫ちゃん。以前より歯肉口内炎にて内科的に治療を行ったりしていましたが改善はなく、痛みが見られるようになってきたために抜歯と歯石除去を実施。
ケース➂12歳のダックスちゃん。ダックスは歯周病になり易く、そして重症になってしまう傾向が最も高い犬種です(当院では)。奥歯に関しては抜歯せざるを得ない事が多く、また犬歯も歯茎の隙間が多く、鼻腔と穴が空いて繋がってしまい、抜歯が不可避な例も多々遭遇します。
直近のケースの子では、いずれも抜歯と縫合等の処置が必要でした。できるならば歯を温存したいのは飼い主様も当院も同じですが、それが適わないのが現状多い為、普段からのデンタルケアと、重症化してしまう前の予防的な歯科処置の実施を推奨いたします。
予防的歯科処置(歯石除去、歯面研磨、歯周ポケットの清掃等)の実施前には、年齢・状態に適した術前検査を行う必要がありますので、必ず事前に受診をお願い致します🐱