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慢性嘔吐と緩徐な体重減少が見られた猫ちゃんの症例 2023/02


『複数回の激しい嘔吐が続いている』

こういった症状の場合にまず最初に頭に浮かぶのは、異物誤飲誤食による胃腸の閉塞です。

特に若いワンちゃんだったり、ビニールやティッシュをかじるネコちゃんだったり、紐が好きだったり、明らかに何かを破壊してパーツが無くなっていたりする背景があれば尚更その疑いが高まります。

そういったケースでない場合に、次に疑うのは何かしらの中毒物質の摂取です。突発的(数時間以内に突然激しく複数回みられる)な嘔吐であれば、身の回りに何か中毒を疑うようなものがないかどうかの問診を細かに行います。食品、薬品、観葉植物、DIY系道具類などなど。

これらも該当しなさそうなケースでは、感染性などの胃腸炎或いはその他原因による急性胃腸器障害を疑っていきます。

今回のケースの子は、激しい嘔吐...とまではいかないものの、慢性的な経過で、「吐く時は何回か吐く。そうでない、全く吐かない時もある」というように症状自体が流動的な子でした。

2か月ほど前より上記のような症状が度々見られるようになってきたとの事です。本人の様子としては元気があって、食欲も安定していてご飯もしっかりと食べます。便通も平均して毎日はあったようです。

この稟告を聞いた時点では、異物閉塞や中毒物摂取の可能性は低めで、胃腸機能の運動機能に問題があるのではという事でそちらの治療を行いました。投薬によるアプローチで多少の改善は見られたものの、やはり最初の症状は無くなることはありませんでした。

慢性経過のうちに、食欲はあるものの体重が徐々に減少傾向にあった為に幾つかの積極的検査を実施する事となりました。

血液検査ではほとんど異常が見られませんでした。画像検査では、超音波検査で腸に怪しいところが...

腸に何かありそうという点と、今までの症状から疑うところは腸に何か良く無いもの、つまりは悪性腫瘍があるのではないかと疑うものでした。腸に腫瘍があった場合、その腫瘍が腸を物理的に閉塞させてしまうことで通過障害が生じて嘔吐が度々見られることは納得のいくところです。しかし、イマイチ嘔吐の回数などの様子や、本人の食欲の点から腑に落ちない点もあり...。そして画像所見でも怪しいはわかるのですが、「異物なのか、腫瘍なのか」が判別に迷うところでした。

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そこで、飼い主様とご相談させて頂き、「試験的開腹」という名目で手術を実施することに同意を頂きました。

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超音波画像でみた部分は、実際にはこのようになっていました。異物によるものではなく、何らかの腫瘍性病変によるものでした。腫瘍によって腸管の内腔が狭窄してしまったことにより、食べ物などが通過できずに嘔吐してしまっていたという事です。

この後、腫瘍の見られる腸管部分は切除摘出し、腸管を繋ぎ合わせて手術は終了しました。

病理検査の結果では、残念ながら悪性の腫瘍という結果でした。腸管そのものは大丈夫でしたが周囲組織にがん細胞が転移している可能性が高い結果でしたので、今後は抗がん剤を用いての治療アプローチを実施していくこととなります。

今回のケースの子では、正直なところ最終的に開腹手術を実施するまでは病態の原因がはっきりと判断できませんでした。何かしらの原因で胃腸の通過障害が起きている事はわかっていましたが、異物なのか、腫瘍なのか、炎症なのか等々、メスを入れるまでに断定できない状態で手術を行わざるを得なかったのは良い事ではありません。しかし個人的な経験上、試験開腹という方法に踏み切らざるを得ずに実施した場合には、100%で何かしらの問題点が見つかってしまっています。

今回のケースで悩んでいたのは、食欲及び食事量に対して嘔吐をする様子に流動性が見られたというところでした。不完全閉塞という結果でしたので腸管に通過できるスペースがあったのは確かなのですが、そのスペースは鉛筆以下の太さがやっとこさ通る程度......よくこの径で物が通過できていたなと驚くものでした。

なるべく試験開腹という手段はとらないに越したことはありませんが、苦虫を嚙みつぶしたような顔つきで私がその方針を提案せざる得なかった場合には...お察しください...😿



2023年3月の休診日のお知らせ


3月21日(火) 春分の日

祝日につき通常は午前診療のみの実施ですが、この日は全日休診とさせて頂きます。

ご迷惑をおかけいたしますが、予めご予約にてお時間の都合をお確かめ頂きますよう宜しくお願い致します。



🌸2023年春の血液健診キャンペーンのお知らせ🌸


まだ冬の寒さが残りますが、次第に春の陽気のような日も見られるようになりましたね。

先日は散歩途中に梅の花が咲いているのを眺めて、暖かくなるかなぁと思いながらぶら歩きしていました。

さて、春のこの時期では当院定番、毎年実施しています春の血液健診キャンペーンの時期の到来です!

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2023年春の健診キャンペーン概要.pdf(詳細はこちらをご覧ください)

わんちゃんは春からのフィラリア予防に際して血液検査が必須となりますので、その際に定期的なチェックとしてご利用いただいていることが多いです。

ねこちゃんについては、なかなか病院にご来院いただく機会がわんちゃんに比べると少なくなってしまいがちなので、予防以外での定期的な年一チェックとしてご利用いただいております。

わんちゃんねこちゃんともに中高齢以降では腎臓をはじめとして様々な機能の低下が見られてきますが、なかなか表立ってその様子が飼い主様にわかる状態かというとそうでないケースが圧倒的です。見えないトラブルを早めに見つけて健康的に過ごせる時間をより長く、というのは人間ドッグなどの必要性と同じですね。

是非とも、この機会を多くの方にご利用いただき、日々の健康維持にお役立ていただければ幸いです🐶🐱



2023年1月の休診日のお知らせ


1月28日(土)

午前診療を臨時休診とさせて頂きます。

午後4時からの診察は通常通りとなります。

ご迷惑をおかけいたしますが、予めごご都合・ご予約をお確かめ頂きますようお願い致します。



🐯→🐰2022年、一年間大変お世話になりました🐅→🐇


本日にて、当院の年内の診察は最終日となります。

12月31日(土)~1月3日(火)までは、休診とさせて頂きます。

年明けの診療は 1月4日 水曜日からとなります。

今年も一年間、皆様には大変お世話になりました事、厚く御礼申し上げます。🙇

2023年も、うぇる動物病院をどうぞ宜しくお願い致します。🐰

皆様、良いお年をお迎えくださいますようお祈り申し上げます🎍

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診療時間

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ご予約はお電話でお願いいたします。

【午前】9:00~12:00
【午後】16:00~19:00

(12:00~16:00は手術・検査・往診時間)

定休日以外に休診になる場合はこちらでお知らせします。

カード支払い可能

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鶴川街道、「市立博物館入口」信号近く

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