子宮蓄膿症のワンちゃんの例
未避妊のワンちゃんで気を付けなければならない病気の筆頭として挙げられるのは子宮蓄膿症です。
何度か本ブログでも記載した事のある、決して珍しくない病気の一つです。
今回は体の小さいシニアのチワワちゃんが、この病気にかかってしまった例になります。
食欲不振と嘔吐が主体の症状でご来院され、問診から得られた情報から子宮蓄膿症を疑いました。
子宮蓄膿症において飼い主様が気づく症状の代表としては、おりものがみられるという点があります。
しかし、今回のワンちゃんはおりものが全く確認されませんでした。
画像検査と血液検査からやはり子宮蓄膿症でした。血液検査の結果が芳しくなかった為、点滴を行って状態をある程度改善させてから手術を行いました。
摘出した子宮と卵巣になります。横に比較としてつまようじがありますが・・・
こちらの画像は、子宮蓄膿症になってしまったワンちゃんよりも体重がもう少し大きい子の避妊手術の際の子宮になります。
つまようじの大きさは一緒ですので、どれくらい子宮がパンパンに膨らんでしまうかご想像いただけるかと思います。
陰部からおりものがでるタイプは開放性、出ないタイプは閉鎖性と分かれます。一般的には閉鎖性の方が症状が重篤になり易く、また膿が溜まった子宮が破裂してしまう可能性も高くなります。幸いにも破裂はみられませんでしたが、細菌の毒素による影響で肝臓のダメージがしばらく続いてしまう事となり、現在も治療中です。
・避妊をしていなくて、生理から2か月以内
・元気食欲がなくだるそう、吐いたり下したりする
・お水を飲む量が多い
・体が熱っぽい
などの症状が見られた場合には子宮蓄膿症の疑いがありますので早めに受診するようにしてください。