口鼻瘻のワンちゃんの例。 歯のトラブルが続いております。
先日の猫ちゃんに引き続き、お口のトラブルの子が続いております。
今回はシニア年齢のワンちゃんでした。
かな~り前から犬歯の片方がグラついていたのですが、それでも食事を食べることはできていて、時々歯に当たったかな?という際に気にする素振りが見られていたということでした。
歯(または歯茎)が痛んできて歯がグラグラしてきても、結構な割合で動物は食事を摂ることができます。人間であればなかなか考えられないですが💦
素直にポロリと歯が抜けてくれた方が結果的には良いのですが、そこまでグラついてしまってる歯も頑張りすぎて居残ってしまっては困りものです。今回はそんな様子の歯でした。
これが今回の治療の目標となった犬歯です。長期のダメージで、歯茎が退縮しています。この段階でもグラグラと揺れるのですが、でも簡単には抜けてくれませんでした。
抜歯した部分を洗浄すると、予想していましたが右の鼻の穴から洗浄液が出てきてしまっています。口と鼻が連絡してしまう、口鼻瘻になっていました。
抜歯した部分は歯茎の退縮が大きかったので、頬側の粘膜を一部切開して引っ張ってきて縫合しています。
これは反対側の様子です。歯石は付着していますが、触ったところ揺れてしまうような歯はありません。
しかし、下側の歯の一部に歯周ポケットが深いところがありました。どの歯かわかりますか?
同じ部分のレントゲン写真です。歯の根元部分が、他と比べて隙間ができています。
この部分はいずれ歯のトラブルを引き起こす事となる為、今回抜歯しました。
表からは見えない部分にも汚れが付着していますね。
今回は顔が腫れたり、鼻血・鼻水・くしゃみが続くといった症状は特になく、口臭と以前から問題だった犬歯でのご相談でしたが、検査・処置をすることで別の問題点もみつかりました。
何らかの症状が出てきてしまう前に、もしも口臭や歯石で気になってきた際は、一度ご相談下さい。