大事です!予防接種①狂犬病ワクチン編
狂犬病という病気はその名前から犬だけがかかる病気と思われてしまうかもしれませんが、猫や私たち人間も含めて全てのほ乳類に感染します。
この病気の最も恐ろしいのは、"発症するとほぼ100%死に至る"ということです。
致死率100%という伝染病は、今のところこの狂犬病以外には存在しません。エボラ出血熱、破傷風、炭疽やペストなどの伝染病も恐ろしいですが、致死率のみでいえば100%ではありません。
また狂犬病は発症してしまうと効果的な治療法はありません。
暴露後免疫療法という治療法がありますが、これは受傷部位や治療の開始時期、ウイルスの量などにより効果には大きな差がある為、治療法というほど効果が確実なものではありません。
世界において狂犬病がない国・地域はほんの僅かです。日本は周囲を海に囲まれている立地条件と、過去に狂犬病の撲滅を徹底した経緯から国内での犬の発症例は長らくありません。しかし、海外では野犬や野生動物が狂犬病ウイルスを保有している事もあり、毎年多くの方が狂犬病で命を落としてします。日本でも、海外で野犬に咬まれて発症し亡くなられた方が2006年にありました。
狂犬病予防接種の目的は、当然ながらワンちゃんの健康を守る為です。
しかしそれだけではなく、ワンちゃん1頭1頭が予防を行う事により、病気の予防以外に、"病気を流行させない"という目的もあります。
『日本では発生がないから接種しなくても大丈夫』
『室内飼育(又はあまり散歩に行かない)だから接種する必要がない』
発生がないのは、発生しない為の過去の多くの動物と人の努力と犠牲の結果の上に今の状況が成り立っています。
個々の予防⇒集団の予防⇒地域の予防⇒全国の予防、と繋がっていきます。
この世界的にも数少ない狂犬病のない国となっている"今"を守り続ける為に、飼い主の皆様とワンちゃんにはしっかりと予防接種を行っていただきたいと、切に願っております。
厚生労働省 狂犬病に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html