2026年5月

歯のほとんどを抜歯したワンちゃんのケースリポート


ブログ、さぼっていました🙇

半分本当、半分冗談というところです。

どうにも久々のケースリポートとなりますが、定番(といって申し訳ないですが)の歯科症例となります。

犬猫ともに高齢での歯科疾患の場合、主に犬では口臭とくしゃみ、眼の下の腫れを伴っての受診が多いです。猫ちゃん高齢の場合は口臭、採食時の口の違和感・気にする様子などを主訴しての受診が多いです。同じ高齢の歯周疾患でも受診される場合の飼い主様の稟告には多少傾向が異なる印象があります。

猫の場合は若い年齢(2~3歳くらい)でも口臭や歯肉炎が重度で抜歯処置をしなければならないケースに度々遭遇する反面、犬の場合は若齢での抜歯処置は固いものを咬んでや衝突ダメージなどによる歯の破折がほとんどです。

動物種、年齢によって同じ歯周病・歯科疾患でも見た目の症状などが異なりますので、日常的によく観察してみてください。

今回のケースは、高齢のワンちゃんになります。口臭、口を気にするというのがメイン症状であり、口腔内の状況から相当数の抜歯処置が必要と判断され、処置を行いました。診察時点で歯の掃除ではなく抜歯を最初から提案しなければならないケースは、既にその歯の温存が望めない・温存することで今後マイナス要素になりうると考えられるからです。

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犬歯部の歯周病は重度であり、歯茎の退縮は勿論ですが周辺の粘膜にも炎症の影響で潰瘍が生じてしまっています。

臼歯は歯石で完全に覆われており、鎧を着こんだかの如くです。

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下の歯だって負けてはいません。いえ、張り合う必要は全くないのですが。

歯の根元が垣間見えるほどに歯肉が退縮しており、こちらも歯石で覆われています。

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反対側の歯だって(以下略)。(※処置途中なので出血痕がありますから色調を落としています)

この子に関しては歯が傷んでしまいやすい背景事情もありましたが、この状態では歯の温存は不可能です。

よって、残存していたほぼ全ての歯を抜歯することになりました。

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残存困難な歯は抜歯した後、傷んでいた粘膜部を一部切除してから抜歯した穴を縫合して塞いでいます。

残した歯もいずれは脱落してしまう可能性もありましたが、今回においては根元部分がしっかりしていたので抜歯は保留としました。

これだけの歯を抜いてしまったらこの後のご飯は食べられるのか...?

そう疑問に思われる方がほとんどだと思いますが、答えとしましては「大丈夫」です。適切な食事形態(ドライフードの粒形状、大きさ、ウェットフードであればしっかりとほぐれる・小さく切ってあるなど)の食事が与えられるのであれば問題ありません。実際にこのぐらい抜歯せざるをえなかった犬猫の子達は、処置後の方がもりもりご飯を食べてくれています。

抜歯する歯が少ないに越したことはありません。歯で診察された方には正直に、ぶっちゃけてお話をさせて頂いていることが多いですが......歯を抜くのは面倒です💦私が歯を抜くのが大好きなマッドな獣医では決してありません🙅ですが、残すことが難しかったり、残すことがデメリットにしかならないなどの場合は抜かざるを得ません。こういった事態になる前に、日常的な可能なデンタルケアの継続と、口の中がおや?っと思ったら、まずは受診にてご相談下さい。



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